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    ドイツの経済政策
  1. 金融危機下の景気対策
     (3) 経済成長加速法 (2009年11月9日閣議決定、2010年1月1日施行)
2009年月日に成立したキリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)・自由民主党(FDP連立)新政権はなお終焉しない金融・経済危機への緊急対策として、連立協定に基づいて2009年11月9日減税などいくつかの制度改正を決定しました。
ドイツでは複数の法律にかかわる制度改正を行う場合、パッケージとしてひとつの新しい法律を作って実施することが多く、今回は「経済成長加速法(Wachstumsbeschleunigungsgestz)」にまとめられました。
子供控除(子供手当)の増額、相続税の軽減、ホテル等の宿泊料に対する付加価値税率の引き下げなど、総額で年間約85億ユーロ(10兆円あまり)の規模となっています。
この法案は2009年12月18日の連邦参議院を通過、2010年1月1日に施行されました。
 経済成長加速法の概要
1. 子供控除の増額(子供手当の増額)
・子供を持つ親の所得について、控除額を従来の6,024ユーロから7,008ユーロに引き上げ。その恩恵にあずかれない低所得者については、支給される子供手当を一人あたり20ユーロ増額し、第1子および第2子は月184ユーロ、第3子は215ユーロとする。家族の負担軽減は全体で年間約46億ユーロ。
注)子供についは子供手当と子供控除の二つ上があり、本来は子供控除が優先されるが、控除額の引き上げの恩恵に浴さない場合の代わりとして子供手当の引き上げを実施。今回の改正では年間所得が6万3,391以上でない場合は子供手当の方が得になる。
子供(児童)控除、子供(児童)手当の根拠、趣旨などについては「補足説明」をご覧ください。

2. 相続税の軽減
・兄弟姉妹および甥、姪が相続する場合の相続税を従来の30~50%を15~43%に引き下げ。(税率は相続額によって相違。)減税額は年間約3億7,000万ユーロ。
・企業を相続する場合の相続税を軽減。従来どおり従業員の雇用を継続することが条件になるが、低率の相続税の適用を受ける条件を緩和する。
説明:これまでは相続人は相続した企業を7年以上継続させ、その間に年間賃金総額の650%の賃金を支払えば、相続税が通常の15%に軽減された。新制度では継続が必要な年数が5年、支給賃金総額が400%となる。
・相続人が経営を7年間継続し、その間に年間の700%の賃金を支給すれば相続税はゼロとなる。これまでの規定では相続税がゼロになるのは10年以上継続した場合。なお、小規模企業については賃金に関する条件がなくなる。
これらによる減税額は合計5,000万ユーロ

3. 宿泊料に対する付加価値税率の引き下げ
・ホテル、ペンションなど宿泊施設の宿泊料に対する付加価値税率を19%から7%に引き下げ。これによる減税額は全体で約10億ユーロ。
注)周辺国の税率が低いのに対応する措置であるが、ホテル業界は軽減分の多くをを施設の改善などに充てるため、宿泊料の引き下げにはあまりつながらないのではないかと見られていいる。

4. 企業減税その他
・企業の減価償却制度の変更:410ユーロまでの財の即時償却が可能とし、これによって、調達した年の償却が可能となる。これに代えて、150ユーロから1,000ユーロまでのすべての財をひとつの項にまとめることも可能とする。
・2008年の税制改正で導入された利子限度枠制度(損金算入できる利子コストの上限を定めたZinsschrankeの制度)を修正し、従来100万ユーロであった枠を300万ユーロに引き上げる。
(※この点について、筆者の理解が正しいかどうか自信がありません。どなたかご教示いただければ幸いです。
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風力、太陽光、水力など再生可能エネルギー利用を促進する。バイオ燃料についても生産者への支援を12,700万ユーロ増額するる。

出所:連邦財政省等資料
   
 
  --ドレスデン情報ファイル2010..02.24--