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ザクセン州の概要1
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  ザクセン州の経済産業小史
ザクセン州南部にはエルツ山地と呼ばれる地域があるが、エルツ山地という名前は金属鉱石(エルツ)に由来する.。ドレスデンにも近いフライベルクでは11世紀から銀を産出し、ザクセンの経済的繁栄に大きく寄与した。

30年戦争以降は特に繊維産業が発展し、その伝統は今も一部残されている。一方、ライプチッヒは古くから交易、商業の町として発展し、ライプチッヒは見本市(Messe)発祥の地として知られる。
絶対王政の時代には経済産業の振興策が積極的に進められ、マイセンの陶磁器の発明、機械工業の発展などを見た。19世紀前半からはドイツ諸国において通貨・金融制度が統一に向かい、さらには関税同盟によって関税が撤廃されたことは産業基盤のあったザクセンに有利に作用し、鉄道、機械工業の急速な発展をもたらし、大規模な褐炭採掘や化学工業生産が行われるようになった。こうしてザクセンはドイツの中でも最も工業化が進展した豊かな地域に発展した。

19世紀の末になると、急激な経済発展とそれに伴う人口増によって社会的な緊張が高まった。とくに工業化が進んだザクセンでは悪化する労働環境を背景に労働運動が高まり、社会民主主義の大きな拠点となった

ドレスデンは19世紀中ごろまではいわば城下町(Residenzstadt)として発展したが、1837年にはエルベ川をはじめて蒸気船が運行し、1839年にはドイツではじめての長距離鉄道がドレスデンとライプチッヒの間に開設された。鉄道はその後も拡充され、ドレスデンは交通の要衝にもなった。ドイツ統一の1871年以降はデーレン盆地(Doehlener


   

         <最新鋭のBoxberg褐炭発電所>
   

                  <州南部を走る列車>


Becken)の石炭を求めて産業が進出するようになった。銀行も他の都市から進出してきたり、新たに設立された。ドレスデンの地名に由来するドレスナー銀行(Dresdner Bank)も1872年に設立された。そして、精密機械、タバコ(Yenidze)、ビール、写真機(Zeiss-Ikon)、医薬品、ピアノ、製紙などの産業が重要な産業として発展した。
また、20世紀初頭には早くもHorch、等による自動車生産がはじめられ、ドイツ自動車産業の発祥の地のひとつとなり、後のAUDI を生んだ。
第2次大戦ではドレスデンを中心に爆撃で大きな被害を受けたが、それよりもむしろソ連による占領下での産業解体の影響が大きかった。旧東独の時代は戦前から受け継いだ基盤をベースに、自動車、機械、通信・計測機器、電気・電子機器などの分野で中h心的な役割を果たした。

東西ドイツの統合によって、国際競争力のない産業が基盤を失い、経済は大幅に後退したが、産業面で伝統をのあったザクセンは旧東独の他の地域と比較すれば条件に恵まれていた。ドレスデンにはシーメンス(Infineon)、AMDといった大規模な半導体製造工場が進出したほか、フォルクスワーゲン社が市内にガラス張りの工場を建設し、最高級車Phaetonを製造している。ライプチッヒでもポルシェおよびBMWが最新鋭の工場を建設し、フォルクスワーゲンはケムニッツでPassatなどの生産を行なっており、これらの周辺では機械・部品産業が発展している。日本企業も自動車や半導体関連で数社が進出している。
ドレスデンでは研究開発活動も盛んで、ドレスデン工科大学が優れた人材を輩出する一方で、Fraunhofer協会が大規模な研究センターを置いているほか、Max Planck Institutも細胞研究の大型拠点を置いている。
   
   
   -- ドレスデン情報ファイル 2005年 --