ドレスデン情報ファイル
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    ドイツのエネルギー関係用語
エネルギーバランス作業グループ(Arbeitsgruppe Energiebilanzen e.V. (AG Energiebilanzen e.V. = AGEB) 
ドイツのエネルギー関係業界の7団体および関係する3つの研究機関が1971年にエッセンで設立。2005年からe.V.(登録団体)。
エネルギー業界が作成する各種の統計データを収集し、学問的な観点からエネルギーバランスを算出し、公表している。とりまとめている統計データは一次エネルギーの供給から輸出入、消費に至るまで広範にわたり、エネルギー・フローチャートの作成も行っている。中立的な立場から国全体のエネルギーの現状や動向について正確かつ迅速な情報提供を行っており、エネルギー政策面でも重要な役割を果たしている。
現在の構成メンバーはドイツエネルギー・水道業連盟(BDEW)、ドイツ褐炭産業連盟(DEBRIV)、EEFA社(エネルギー・環境研究機関)、ドイツ経済研究所(DIW)、ケルン大学エネルギー経済研究所(EWI)、石炭総連盟(GVSt)、石油産業連盟(MWV)、ライン・ヴェストファーレン経済研究所(RWI)、石炭輸入連盟(Verein der Kohenimporteure e.V.)。ほかに、自家用エネルギー・電力連盟(VIK)が活動を支援している。
連邦政府のエネルギーコンセプト(Energiekonzept der Bundesregierung)
「環境に優しい、信頼できる(不安のない)、コスト負担可能なエネルギー供給」に向けた連邦政府のガイドラインで、再生可能エネルギーの時代への道筋をはじめて描いたもの。2010年9月28日に決定されたエネルギー政策に関する政府の基本方針。
ドイツは温暖化ガスの排出量を2020年までに1990年比で40%削減することを目標にしており、先進工業国は2050年までに少なくとも80%削減することが必要と認識されている。
一方で、エネルギー需要は世界中で拡大しており、それに伴ってエネルギー価格は長期的には大幅に上昇し、このままでは輸入エネルギーへの依存度は上昇を続けることになりかねない。
このため、ドイツ政府は、信頼でき(供給に不安のない)、経済的で、環境への負担の少ないエネルギー供給は21世紀の最大の挑戦のひとつと捉え、競争力のあるエネルギー価格と高い豊かさを維持しつつ、再生可能エネルギーの拡大を柱に、ドイツを世界で最もエネルギー効率が高く、最も環境を大切にする国にしていくとしている。
エネルギーコンセプトはそれらを達成するための長期的な総合戦略を示したもので、市場経済の原理にしたがい、技術開発および必要な投資のために信頼できる環境条件を整える意味を持つ。エネルギーコンセプトではエネルギー供給構造の転換を通じて、イノベーション、経済成長、雇用の大きな潜在力が拓かれるとしている。目標を2050年に置いて、20年から30年というエネルギー産業の投資サイクルが考慮されている。そうした関連で、気候(温暖化ガス排出削減)目標、再生可能エネルギーの拡充およびエネルギー効率の向上の目標は10年毎に設定している。
具体的な目標値は次表のとおりで、電力総消費量に占める再生可能エネルギーの割合を2050年までに80%に引き上げるなど、意欲的なものとなっている。達成状況は定期的に点検していくことにしているが、経済性やコスト効率も必要に応じて加味するとしている。
エネルギーコンセプトの目標値
. 2010年 2020年 2030年 2040年 2050年
温暖化ガス排出量
(1990年比)
. -40% -55%* -70%* -80~
-95%*
再生可能エネルギー
/エネルギー総消費量
(9.4%) 18% 30% 45% 60%
再生可能エネルギー
/電力総消費量
(16.5%) 35% 50% 65%
80%
電力消費量
(2008年比)
. -10% . . -25%
一次エネルギー消費量
(2008年比)
. -20% . . -50%
エネルギー生産性 . 年平均2.1%...
注)数字は政府の努力目標として掲げられているものであるが、*印は2050年までの削減幅を少なくとも80%として算出されたもの。また、カッコ内は一般に発表されている数字。

エネルギー・コンセプトに沿って2011年からいくつかの法律が発効しているが、20117月には新たに7本の法案が成立している。
なお、この20109月のエネルギー・コンセプトは2000年に当時の社会民主党・緑の党連立政権が定めていた原子力発電所の稼働期間を約12年延長することを前提としたものであった。このため、原子力は再生可能エネルギーが柱としての役割を担えるようになるまでの「橋渡し」という位置づけであった。その後、メルケル首相は福島第1原発の事故を契機に、ドイツ原発の稼働期間延長を急遽取りやめ、最終的には古い原発8基を停止することにしたが、その背景にはこのエネルギー・コンセプトにもみられるとおり、原発の扱いに関する長い議論と、将来的には再生可能エネルギーの時代を目ざすとの合意があり、そのために迅速な決断も可能であったみられる。
(2011.09.08)

連邦ネット・エージェンシーBundesnetzagentur
連邦の官庁のひとつで、「連邦ネット庁」あるいは「連邦ネットワーク庁」などとも訳される。
電力の分野では、州の調整官庁とともにエネルギー経済法に基づいて送電網(電力ネット)運営事業者を監視し、調整を行うことを通じて電力ネット市場にける公正な競争の維持、促進を行う。
ドイツではひとつのネット地域にネット事業者が1社しか存在しないため、ネット事業者はこの独占的地位を利用して特定のネット利用者を優遇したり、不利に扱ったりする可能性がある。このため、すべてのネット利用者がエネルギー供給ネットへのアクセス、利用に際して公平に扱われるよう監視し、調整を行うのが連邦ネット・エージェンシーおよび各州の調整官庁の役割である。州の調整官庁は顧客数が10万以下で、配電地域が当該州内に限られる電力会社にかかわる調整を行い、それ以外が連邦ネット・エージェンシーの管轄となる、連邦ネット/エージェンシーは、公正な競争のための条件整備を行う役割もあり、その中には次のようなものがある。
 ・送電のためのネット利用料の認可
 ・電力会社や消費者が電力ネットを利用する際の障壁の防止ないし排除
 ・電力会社変更手続きの標準化
 ・新規発電所が電力ネットへ接続する際の条件の改善
係争に際しては電力・ガス供給ネットの分野だけで5つの審決部門があり、審決結果は上部機関である連邦経済大臣にも覆すことのできない強制力を持つ。

正式名称は、連邦電力・ガス・テレコミュニケーション・郵便・鉄道ネット・エージェンシー(Bundesnetzagentur für Elektrizität, Gas, Telekommunikation, Post und Eisenbahnen)。郵便事業、テレコミュニケーションの民営化、自由化に伴って連邦郵便・テレコミュニケーション省および連邦郵便・テレコミュニケーション庁(BAPT )に替えて1998年に設置された「テレコミュニケーション・郵便調整庁」からスタートした。その後2005年夏からエネルギー(電力およびガス)の調整も所管。2005年7月13日、連邦ネット・エージェンシーに改称。2006年1月1日からは鉄道インフラへのアクセスも所管し、各分野における自由な競争の維持促進の役割を担っている。上部機関は連邦経済・技術省であるが、鉄道部門は連邦交通・都市開発省の傘下にある。
本部はボン。職員数は約2,600人。
資料:連邦ネットワーク・エージェンシーウエブサイトなど。
2011.09.06

アンケート委員会(Enquete-Kommission)
アンケート委員会(Enquete-Kommission)は連邦議会に設置される委員会で、連邦議会の付託により複雑かつ重要な基本的事項について技術的、経済的および社会的な面から情報を収集、検討、評価し、議会に対して選択肢を示し、勧告を行う。委員会活動は4年間の議会会期を超えて行われることもあるが、議会の各種委員会と異なり、常設ではなく、連邦議会に属さない学識経験者が連邦議会議員と同等の立場で協議に参加するのが特徴で、議会と研究界を結ぶ重要なインターフェースとなっている。
最近の例では次のような事項についてアンケート委員会が設置された。
 *憲法改革の問題 (第6期および第7議会期)
 *遺伝子技術のチャンスとリスク (第10議会期)
 *エイズの危険性とその効果的抑制策 (第11議会期)
 *地球環境保護のための予防策 (第11.議会期)
(2013.04.16)

    
   -- ドレスデン情報ファイル 2012.03.21 --
更新:2013.04.16